すぐれものの名古屋Ⅲ

 

 

 

 

名古屋帯のみ織り続けておられる珍しい機屋さんの帯をごらんください。左の黒地は漆箔の引き箔の名古屋です。中つづれなど手のかかった仕事の品物ですので、お太鼓と前の柄で、六通には織ってございません。元々は昔から手織りの名古屋は六通には織りません。ただ、黒地も朱地も地は箔を通して織っております。きちっと手抜きなどはいたしておりません。この機屋さんも御年75歳で、後継者はいらっしゃいません。この数年の間にわたしの知る限りでも、何軒の機屋さんがおやめになられたか数えられないくらいです。わたしも来年は傘寿を迎えるのですから他人のことを云々はできませんが、悲しい現実でございます。この帯は¥79,000、-(別税)でお願いいたします。この機屋さんはよく見つけた・・・とおほめいただけると思っております。