銀箔地、六通名古屋帯

 

 

以前に求め置きました名古屋帯です。帯の整理をしていましたら偶然見つけまして、みなさまにご覧いただけます。六通ですので使いやすい帯地です。織機で織っていますが、名古屋帯専業の機屋さんですので、いい糸を使い、やわらかな生地ですから締めていただいては楽だと思います。京都市内では人件費が高いので、郡部で織っておられるのですが、老齢であり、後継者もなく、いつ織れません・・・と言われるかわからない状態です。¥70,000、-(別税)でお願いいたします。

先日から銀の引き箔の無地の帯を織ってくれるところを探していました。半年ほど前までは、手織りで織れますよ・・・と言われていたのですが、昨日も一昨日も何軒も断られています。袋帯なら織ります・・・といわれる機屋さんが一軒だけおいででした。どうして・・・と思うのですが、事情を聞いてみますと、技術はあっても織り手がいない・・・のが実情のようです。箔もあり裁断もできるのですが、織る人がいないのです。下手な人が織りますと段が出てとても帯になりません。帯の職人も、染めの職人も伝統的に人件費は安いのですが、仕事の喜びのほうが優先して、安い報酬は二晩三晩徹夜してでも頑張って補う・・・のが職人の考え方でした。いまでも月収20万に満たない手織りの職人がほとんどでしょう。若い人は、それでは参入してくれません。いまになって困った困った・・・とわたしも含めて途方に暮れているのですが、やはり、仕事に対する評価を上げてまいりませんと後継者は育たないと思います。上に掲載しました帯屋さんも老齢で後継者はありません。名古屋専業の機屋さんは片手で数えれるほどの軒数ですので、ひとり廃業なさると他に注文が分散いたしますから、どのようにお願いしても3か月待ち、4か月待ちになってまいります。大手のすごい糸を使ったひどい織物は毎日きものをお召しになられるベテランのお客様方に通用するはずもありません。小回りを利かせて、まめに足を使って機屋さん巡りをして、一点また一点と求めてゆかなければ品物が無い・・・時代に入ってきました。