小紋二点

 

それぞれに素晴らしい小紋だと思います。右の写真の小紋は、江戸小紋のむじな菊を染めて、一部を色抜きをして、彩色したものです。江戸小紋を一ひねりした、ちょっと凝った小紋です。飛び柄の小紋に地染めを同じ柄でバックに使った・・・と申しましょうか、この感覚が最近とても評価していただきまして・・・と染屋さんは言われます。たしかに江戸小紋もみなさまお持ちになられ、趣の変わった江戸小紋と変わらない価格のものがあれば・・・と思っていらっしゃる方が多くなっているのもわかります。

左の市松取りの小紋は、染めとしては相当難しい小紋です。江戸小紋のようなしごきではこの深みは出ません。市松の際なども職人の腕の冴えがなければこのようにきれいには出ません。引き染めも上手に上がっています。わたしはこの染めはとても好きで、地色も指定の色に染めてもらえるので、私にとっては貴重な染めです。昨日のぼかしから2割くらい高いのですが、最先端の感覚です。誂え染めができることは、わたしにとってもお客様にとってもとても価値のあることだと思っています。