五蘊、その先の縁起。

お釈迦さまは空経というお経の中で六処の代表としての眼について説かれます。”アーナンダよ、自己について、また自らのものについて空だから、「世界は空である」と言われる。ではアーナンダよ、何が自己について、自らのものについて空なのか。アーナンダよ、眼は自己について、また自らのものについて空である。” 私がいてこの体は私のものである・・・とわたしたちは日常思っています。でも自身そのものすら根拠がないのです。自分のものと思うこの身体も家族も財産もなにかのきっかけで崩壊しかねないものです。  六処につづいて私たちの能力を分析した五蘊について少しもうしあげなければなりません。そして、六処、五蘊を含めた縁起から四聖諦にいたってお釈迦様の苦の克服にいたる道筋が見えてまいります。最後にお釈迦様が指し示されたあたらしい思想について私なりの思い方を仕上げたいと思っています。いままで一つのことを書きますと百くらいの疑問が湧いてきて、途中でもう無理と投げ出したい思いでした。でも、さいごのお釈迦様の素晴らしいプレゼントはどうしても書いてみたくて続けてまいりました。