考えてみますと。

仏教などと申し上げて、いまさらに反省いたしております。おしゃか様が説かれた自律のうち、為してはいけないことは、いつの間にか、自己責任から遠く離れ、警察権力の摘発にうつされ、罰も法律の役割になりました。欲望とそれを自己抑制するバランスは必要がなくなりました。法に触れなければ何をしてもよい・・・時代に、おしゃか様など持ち出して・・・と笑われてしまいます。とくに最近は国家そのものが欲望むき出しで、恥じるという感覚が無いように見えます。将来への希望と申しますか、明日は世界は楽しく住みやすい世界になる・・・とおもえない状況はなんとも悲しくて、ふとおしゃか様がなんとも暖かく思い出されて、つたない文をご覧いただきました。わたしの師は加賀山さんとおっしゃられて、真言密教に進まれました。とうぜん、霊魂は存在するとお考えでした。わたしは最後まで疑念を持ってお話を伺っていましたが、絶対に霊魂は存在しないととも思ってはおりません。人が知っていることなんて、宇宙全体の2%か3%くらいらしいですから、自分の十二処、一切と同じようなことで、真実そのものとは距離があると自分で思っていないと大きく間違うのではないかと思っています。明日からは元の自分にかえって、好きな染めや織の話にかえりたいとおもいます。はやり病にかかっていたのだとお考えいただき、以前のように呉服屋としてお付き合いいただければ幸いです。