いまはむかし・・・と話し始めなければならないほど、感覚的に過去になってしまった男のきもののお話をすこしお聞きいただきたいとおもいます。

写真は男の方が着た網目繋ぎの江戸小紋です。染め師は寺山さんといわれます。江戸小紋は発生が男のきものでしたから本来の姿です。むしろ、江戸時代の初期に生まれた単色の微塵のような小紋を女性が自分のものにした・・・・ことのほうが当時の女性が、たくましく優れた美的感覚を備えていたことの証明だとおもいます。単純こそ使い方でどのようにでも表現できる素材だと・・・このきものは羽織と対でお召になっておられました。たぶん、飽き足りなかったのでしょう・・・裏地に浮世絵をお使いになっておられます。その筆がなかなか素晴らしい出来なのです。全体をご覧いただけないのですが、見事な筆だと思います。一部をご覧ください。

