

写真の二つのきものは重要無形文化財の指定を受けたきものです。上は結城の地機(イザリ機)で織った百山(一幅百粒の亀甲を織り込んだもの)で、下は(産地に確認をしていませんが)米沢の白鷹織り(一幅80粒の亀甲を織り込んだもの)です。白鷹はもしかすると小千谷の産かもしれないと・・・・思ってはいます。(業界の人は多くは白鷹でしょう・・・との意見です。)昨日、富岡製糸場の世界文化遺産への登録が話題になりました。でも以前に、小千谷、結城の織物が指定されていることは忘れられているように思います。結城のこのクラスのきものが以前のように多くの人々に着ていただける時代にはもう帰らないでしょう。人件費が想像できないほど低い時代でなければ、このような労働集約型の産業は成立しません。しかし、この高度な織りの技法は後世に残すべき文化的な遺産ですと・・・・認めていただいています。地機のきものは体重をかけて経糸を引っ張ります。機械で縦色を引っ張るのと違い、織りあがったきものは、人の体に実にフィットしてくれます。多くの人にこの感触を味わっていただきたい・・・・と思います。普段のきものは実にこれほど軽く着やすいものだったのだ・・・・と思っていただけるでしょう。以前、売り物にならないくず繭で、農家の方が自家用のきものを自分で織っておられました。そういったきものを拝見する機会が多くありましたが、着物観が変わる経験でした。



結城の亀甲は疋単位で設計し織りますので、きものと羽織りになるのですが、きものだけお持ちでした。また、白鷹は、一反ずつ設計し織りますので、たぶん着物を作られてから、羽織を注文なさったのでは・・・・と想像いたしております。羽織の裏地も写真でご覧いただきますが、小舟での男女の出会い・・・とおとなしい柄ですね。
