お客様のあつらえの帯

 

 

青空に映える枝垂れ桜・・・お客様にご注文いただき今回は二か月もかからないで染めあがりました。わたしの写真の腕が劣りますので、半分もお伝え出来ないのが残念です。この帯地は傑作のひとつになったとおもいます。このようなあつらえの染めは、本来、100に一つくらい数少ないのが普通なのですが、既製の帯地があまりに粗雑な作りが多く、誂えの帯地のほうが割安ではないでしょうか・・・と、わたしもお勧めしたい気持ちにもなります。わたしの役目はきものにしても帯地にしても、感動していただいたり、ご満足いただくことなのですから。

京都のもみじ

 

 

大徳寺の今年の紅葉は心に沁みるような色合いではないように感じられました。聞いてみますと、気温差が少なく、冴えない紅葉です・・・とのことでした。また、一年に一回の公開参観日とのことで、人が多く写真も撮れないような感じでした。京都の機屋さんや染め屋さんはあいさつに伺っただけ・・・の結果でした。常時在庫を積んで、地方から買い付けにきてもらう、以前のような販売方法は出来ない時代に入っていることを感じました。力の入った品物がないのです。今まで売れていたものを少し変えて、無難なものを作ってなんとかお求めいただこう・・・という感じで、意欲的な作品に会うことが出来ませんでした。東京にはもっともすぐれたものをもっていっていますから、お待ちいただいたほうがいいものに会えると思います・・・と言われてしまいました。途中で端折って、すこし時間がありましたので三十三間堂のほとけさまを久しぶりで参拝いたしてまいりました。ここには風神雷神の彫刻がございます。今回はじっくりとお目にかかってまいりました。ご本尊は観世音菩薩さまです。今日は前に立つだけでおもわず頭が下がって、手を合わせておりました。いままでに感じたことがないほど大きな存在に思いました。とても素晴らしい時間でした。

引き箔地に蘇州の刺繍の袋帯

 

 

 

 

西陣の手織りの引き箔の生地に蘇州の刺繍を施した豪華な袋帯です。最近はこのような人件費の塊のような帯地は制作できない時代になってしまいました。中国の人件費の値上がりはすざましく、日本の機屋さんもほとんどが撤退しています。ただ、蘇州の刺繍は日本ではできませんので、今でもオーダーで中国で制作されています。でも注文品ですから店頭にでることはまずないとおもいます。この帯地は以前に作られていて、問屋の蔵に入っていたのでしょう。先日の処分で出品されていました。偶然わたしのてもとにまいりましたが、このような工芸品がこのような値段で出品されるようになったのか、複雑な思いをいたしております。値段は77,000、-(別税)でおねがいいたします。

明朝早くに、母の法事で京都に出かけますので今日、夜になってコンピューターに向かっています。月曜日に昔のなじみの機屋さんや染め屋さんを数軒伺って帰路につきます。関西は雨になるような予報です。モミジはあきらめて、産地の様子を勉強してまいります。

米沢・白鷹織りお召し

 

 

米沢の白鷹お召しは県の重要無形文化財指定の手織りのとても優れた織物です。写真のお召しは男物ですが、女性のきものが生産のほとんどです。結城、小千谷の括りの絣と並んで数百年その作り方が変わっていません。また、そうでなければ重文の指定は受けれないのですが、白鷹は生産量がとても少ないので一般的にはあまり知られていません。白鷹は経糸と横糸の交点で柄を表現する絣りに織られています。そのために糸を括り染色に入ります。この縦縞は板締めで染めて織られています。板締めは二枚の板に同じ柄を彫りこみ、その間に布を入れて締め、染色いたします。米沢では以前は普通の染色方法だったようです。いまでも作家の方が板締めで生産しておいでです。北の米沢と南の琉球は今もってむかしの作り方を変えていないものつくりが残っています。その意味で、わたしは米沢にはまだ本物が残っている・・・とよく申し上げています。海のシルクロードを経由して伝わった読谷村花織り(ゆんたんじゃんはなうり)もその技法は汲めども尽きない素晴らしい織りの源泉だとおもいます。また、米沢には米琉という織物がございます。米沢琉球の意味で、米沢が琉球から学んで織物にいたしました。わたしが参加した会で、この白鷹の織物は残っていました。男物がいかに評価が低いか・・・実感いたしました。お召しでございますからお茶席でお召しいただいたり、上に紋付の羽織をお召しになられたら、礼装としてお召しいただけます。¥88,000、-(別税)でお願いいたします。とても安いと思います。

奄美の泥大島7マルキ二点

 

 

 

 

 

 

 

泥の七マルキ大島二点をご覧ください。写真の色が青味がかって見えるのもありますが、フラッシュの反射のためで、泥特有の沈んだ黒に近い紺色です。この二点は偶然わたしがつかんだので買えましたが、ほとんど他の人が買っておられました。私などは老人で若い方に弾き飛ばされるような始末でした。泥大島についてはみなさまよくご存じだと思います。もちろん手織りでございます。値段は¥77,000、-(別税)でお願いいたします。ほぼ10万円くらい安いとぞんじます。

白根澤の真綿紬

 

 

 

 

米沢の白根澤さんは米沢のなかでもいい機屋さんとしての評価が高い一社です。紅花で有名な新田さん,五百機織りのさしめさん、鈴源さんなどとならんでいいものを作っておられます。米沢では紅花などの草木染めの紬はごく普通に作られています。風土ともうしましょうか、生活の中から生まれた織物を販売している・・・ような雰囲気があります。米沢の人と話すとほっとしますが、人柄と織物が同じなのだ・・・と感じます。飾ることの少ない実直な風土ですね。この反物はごく上質の真綿を使っての織物です。普段着の感じですがあたたかな気持ちにさせてくれる織物です。¥45,000、-(別税)でおねがいいたします。

あと一か月でのれんを降ろすたきちがまだ商品を買ってどうするんだ・・・と叱られそうですが、わたしは最後のその時まで安くていい品物であれば買い続けるだろうと感じています。おかげさまで在庫の処分もすすみ、今年の暮れにはのれんを降ろすことができるようになりました。ご注文に対応するために、わたしは借りることはいたしませんで、かならず求めますから在庫は一時増えたりもいたしますが、それなりに在庫は少なくなっております。また、今回のような金融にかかわる商品は値段が破格に安いですから、柄と品物がよければ呉服屋としては求めるのが義務でもございます。いまは最後の楽しみを楽しませていただいていると思っています。

紅型染めの袋帯

 

 

染めの袋帯です。このような帯は最近は品質の劣る硬い生地を使うことが多いのですが、さすが一流の問屋が扱った商品ですから、生地も染めもきちっと作られています。生地は軽くて薄く、夏物なのかな・・・?思うくらい軽量です。染めは間違いなく摺り染めの紅型の友禅です。表記に、訪問着、付け下げ、小紋に・・・と書いてございますが、わたしは付け下げ以上にはすこし無理があるのではないかな・・・と思います。小紋や紬にはいい帯地になると思います。生地はまことさんが織って一世を風靡したよろけのような軽い生地です。糸質はとても上質で、おすすめしたいとおもいます。¥35,000、-(別税)でおねがいいたします。

みなさまも最近はきものが高くなったとかんじておいでではないかとおもいます。わたしが機屋さんから白生地を求めますのにも、毎月といっていいほど値段が上がっています。原糸が値上がりしているのが原因なのですが、原糸はブラジル、中国が大手で、トルコなども絹糸の産地です。日本は80円くらいの円高の時期に多くの養蚕農家は生産をあきらめました。現在は中国の上のランクの絹糸は日本産よりも高いのが実情だそうです。でも、いま日本の生産量では必要量が賄えないので輸入をせざるを得ない・・・という現状のようです。潰してしまった桑畑の再生から始めなければなりませんから、日本での増産は急には無理です。政府の補助政策はいい結果は生まないかもしれませんが、価格を安定させて一定の生産を確保できるような柔軟な政策がとれないものか・・・とおもいます。絹糸の価格の変動は、いまは見方が分かれているようで、まだまだ上がります・・・という人と、いまが天井で今後はすこし弱含みになるでしょう・・・というひとと分かれています。先日、新潟県の五泉の著名な機屋さんの小熊さんが廃業なさるといわれました。精華やチエニーなどの裾回しの生地は信頼できる小熊さんにお願いしていただけにこまってしまいます。裏地は福井でなく群馬の生産に頼っていますのでしばらくは大丈夫だと思います。