絣のためのくびり

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防染のために白で残したい部分をくくります。くびりと申しますが、ただ今は多くは捺染でいたします。製作の現場では、手織は仕上げの段階で、くびりの位置を決めることと、くびりの工程がもっとも大切とされています。縦糸も横糸もくくります。その設計図と縦糸の整経の写真をご覧ください。
20120223b.jpgわたしはこの設計図は初めて拝見しました。とても繊細な仕事です。いぜん、大島をコンピューターで織る試みがなされ、相当量の大島が織られました。その精密さは見事なものでしたが、わたしはなじめず見送りました。数年で製造しなくなりましたが、人の手作業の稚拙さに残る温かみ・・・はかけがえのないものかもしれません。
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経ての設計です。右下に糸を交互に組んだ部分があります。畦と申しまして、筬を通すときの糸の順序を決める部分です。この工程はわたしも綴れで経験しました。八寸の綴れで糸数は800本です。この経ては1800本だそうですから、糸も細いですが頭が混乱しないように・・・集中しないと失敗します。

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