おしゃかさまのお生まれの時代

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 おしゃかさまのお生まれの頃のインド社会は大きな変動期でした。農業生産は飛躍的に増大し、富の蓄積にともなって商工業が発達し、貨幣経済への移行も進行しています。都市化が進みますと外敵に対する防衛のための武力を持った国家権力が必要とされ、それぞれの地方で小規模あるいは中規模の国が生まれています。このような時代に、多くの民衆、特に新興階級である商人や武士、また、新しい社会秩序を提供しなければならない新国家の王様たちは従来のバラモン哲学では満足しなくなっていました。じっさいに都市においては哲学者たちが集まって公開で議論をしたようですから、当時の社会の持つエネルギーは物質のみでなく哲学や宗教にまで及んでいたことが見て取れます。この様な時代におしゃかさまは生を享けられました。

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