ウパニシャッドの誕生

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ウパニシャッドはベーダ聖典の最後の部分で、宇宙を貫く原理としてブラフマンを設定し、わたしたち一人ひとりの個をアートマンとして設定して、宇宙(世界)と個としてのわれわれとどのような関係にあるのか思索しています。その一節に「一切のものはブラフマンである。同時に一切のものという総体はひとつのまとまりであるであることによってアートマンでもある。一方エネルギーとしてのブラフマンは一切のものの内に働いており、その意味で、神が霊魂であるようにブラフマンはアートマンである。わたしの心臓の内部に存在するアートマンがすなわちブラフマンなのだ。」そしてその同一性は一種の直観によって体験される。と述べられています。現代のわれわれが読んで、とても納得しがたい論理なのですが、2,700年前にこのような議論がなされていたことは驚きだと思います。インド哲学はこののち非バラモン的な仏教やジャイナ教などと哲学論を戦わせ、変容発展してゆきます。

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