結城・高機と地機

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 結城と申しますと”高い織物”と反射的に思われる方が多いのではないでしょうか。たしかに高価な織物なのですが、その作り方を分解してみますと、かっては日本中の養蚕農家ではどこでも自分で作って、日常に着ていたきものの作り方と同じなのだ・・・・と気付かされます。糸をどのように取るのか、織りはどのように・・・・この二つのことがどのようなきものになるのか・・・・を決めています。結城は洗練され、売り物として耐えるように向上してまいりましたが、根本は普段着です。

高機結城羽織り-500.jpg

 ご覧いただいている織物は、杢といわれる織機で織った結城です。杢とは、二色もしくは三色の糸を合わせて一本の糸にして織る織り方です。合わせた糸に撚りをかけますと杢目ともうします柄が現れます。余った糸を何色か使って一つの織物にする方法です。面白みがあり、雅趣に富んだ普段着になります。高機とは、ジャガードを上げて人が筬(オサ)を打たなくても織れる仕組みにした組織のことです。糸は結城の玉糸を使っていますから、とても優れた糸質で、丈夫で体になじみ、三代は着れる・・・・といわれる織物です。

ちゞみ結城羽織り-500.jpg

 上の写真は、ちゞみ結城と呼ばれる地機の結城です。やはり糸は杢にいたしております。こちらは地機と申しますイザリ機にかけています。この織物にククリ(括り)の工程が入りますと、重要無形文化財の指定を受けることになります。織物の重要無形文化財は、糸取り、ククリ、地機など、その工程が数百年変わっていない・・・などの条件が必要です。この織物はちゞみ(縮み)と名がつくように、広く織った織物をぬるま湯につけて、手で揉んで縮ませます。体と接する面が小さくなり、汗ばむ季節には快適な織物です。麻を縮ませた小千谷ちゞみが皆様には耳慣れたブランドでしょう。ちゞみ結城は単衣用の織ものです。

 ごらんいただきましたように、織物として優れた特質を持つ結城ですが、着心地の良さこそ価値なのであって、写真でご覧いただいたり、ガラス越しの見学などは、命あるものをホルマリンにつけたもののように、肝心なものが伝えられないように思います。このコレクションをご覧になった男性が、小規模の展示場を常設できないでしょうか・・・・・とふと、語られましたが、きものに興味を持った男性には、勉強になる数々です。

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