縁起Ⅱ

1、無明は二つの本能についての根源的無知である。一つは生来の、生物的、遺伝的な本能。もう一つの本能とは、生来の本能を増強する人に固有の無明で、言語によって自己と世界とを認識することを指す。言語習慣、言語表現は「第二の本能」となる。人間はこれら二つの本能が自分(アイデンテイテイ)や世間(ソシアルテイー)という虚構を作り出していることを知らない。無知であるがゆえに、そうした虚構に執着し、盲目的生存欲を湧き立たせる。この無知によって、人は行為への意志に駆り立てられる。この意志を行という。

最初からなんとも難解な話ですね。これでは12もの縁起なんかなかなか親しめません。でも、この言語の問題は欧米でも日本ででも仏教とは関係なく、大きな哲学のテーマになっているのですが、一冊や二冊の本で論じて結論が出るような問題でもありませんので、わたしは見ないふりをしています。真剣に考えると気が変になってしまいそうになります。

2、行によって識が生じる。行に突き動かされ、「分けて知る」行為が開始される。識とは事物を分別する作用のこと。これによって自己意識も世界意識も萌芽する。言語による分節化に向かう根源的欲動の生起。言語習慣の濫觴。

3、識によって名色が生じる。自己の分節化と外部世界の分節化が進み、それらは名と色、名称とその対象に分かたれる。名は、言語表現として内的に固定化された諸事象のこと。色は言語によって分別され、対象化された諸事物のこと

4、名色によって六処が生じる。この六処とは眼、耳、鼻、舌、身、意の心身の認識器官および認識機能を指す。眼、耳、鼻、舌、身が感覚機能であり、意が意思作用である。これらの器官の、部位としての識別もまた分別の所産であり、かつこれらによって心身の内外のデータが集められ、言語による分別化が巧緻化されてゆく。

縁起

長く休んでおりましたのでご心配いただいた方もございましたでしょう。ご迷惑をかけました。1週間ほど入院いたしておりました。体調が悪く入院してすぐに思ってもみなかったた狭心症の疑いということで、3月の早々にステントを入れていただくことになりました。発見していただいて助かりました。今よりも多少は過ごしやすくなると思います。でも、主治医からは寿命を考えて・・・と念を押されています。体そのものが定年だよ・・・と前から言われておりましたので無理をするとすぐ結果が出ると思っての生活になると考えております。

さて、お休みの前のテーマの縁起のことでございますが、仏教の核心をなす部分であることはすべての学者の方々も認めておられますが、私などはなかなか理解できることではありません。多少機微に触れることができましたのは評論家として著名な宮崎哲弥さんの簡単な解説でした。スリランカに上座部という仏教教団があり、タイのあの黄色い衣でなじみのあるテーラワーダという団体の最高の学僧と言われるかたの十二支縁起を宮崎さんがさらにかみ砕いて示しておいでです。十二支縁起とは無明、行、識、名色、六処、触、受、渇愛、取、有、生、老死の十二です。無明が行を生起させ、行が識を生じさせる・・・と順に私たちの内部で起こる精神の変化の道筋を分析した考え方の解説だとお考えいただいていいと思ます。すこし長くなりますので全文は後ほどご覧いただきます。

名護帯、仕立て上がりⅢ

スクイの名古屋帯です。たきちのホームページでは79,000でお求めいただいておりました。この機ももう終わりになります。スクイはつづれなどと同じように爪や櫛などで寄せて織ってまいります。表情が出て、上手下手もすぐわかり、たいへん敏感な織物です。つづれに挑戦する人たちや、スクイの魅力に引き寄せられて、織子として参加なさるのですが、養成の期間は公的資金などもあり、なんとか頑張られるのですが、独り立ちしますとそのあまりの工賃の安さに長くは続かない・・・のが実情です。生き残るのには自分の技術を向上させる以外どのような方法もないのですが、苦節10年も営々と下積みで頑張れるひとも少なくなりました。伝統工芸はきちっと伝承されなければ意味をなしません。後世に残るものですから質を落とすことはできません。むずかしい問題でございます。この帯地は仕立て上がり¥59,000(別税)でお願いいたします。

仕立て上がり名古屋帯、六点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この六点の名古屋帯は、私が留守の間にお求めになられたお客様が、ご注文なさいまして、納品時に受け取りができなという事態になりまして、やむを得ず事故品として安く処分をさせていただくことになりました。捨松、栗山紅型、ぞの他の帯地も、品質はわたしが吟味済の品物ですので、品質、織り共にごく上質な帯地です。仕立て上がり、消費税込みの値段ですからどうぞご覧いただいて、できるだけ早くお求めください。

寸法は幅八寸二分、長さ九尺七寸の寸法で仕立て上がっています。

一番上の写真の帯地は、捨松さんです。わたしが10万少し上の値段でお求めいただいているのですが、現品¥75,000、-仕立て上がり、税込みでお願いいたします。

二番目の帯地は栗山紅型の麻の夏帯です。大胆な柄ですが、小千谷の麻の絣りや夏結城などにはとてもよく合いますかと存じます。¥50,000、-(仕立て上がり、税込み)でお願いいたします。

三番目の帯地は、絹芭蕉の生地に墨描きで株を描いたものです。絹芭蕉の生地は生の糸の状態で織っていますので、腰もあり、夏帯としてはとても締めやすいい生地かと存じます。¥10,000、-(仕立て上がり、税込み)でお願いいたします。

四番目の帯地は、もともと踊りの方のために20本ほどご注文で機屋さんに織ってもらった帯地の残りでございます。手織り引き箔のとても手のかかった良質の帯地ですが、お使いいただきますのに範囲が狭く難しいと思っています。楽しみでお使いいただける方がいらっしゃいましたら是非お願いしたいと存じます。¥10,000、-(仕立て上がり、税込み)

次の黒地の夏帯は、京都の夏お召し地にローケツで染めたとても質の高い帯地です。京都の産です。こちらは私が65000円でお求めいただいていました。こちらは¥45,000、-(仕立て上がり、税込み)でお願いいたします。

最後の染め帯は、若い番号のいい機屋さんの袋帯だったのですが、名古屋仕立ての方お使いいただきやすいと思って、名古屋に仕立てました。私はとても気に入っている帯地です。糸はシャリ感のある、一見夏帯・・・?と思えるような生地です。袷ばかりでなく、単衣のきものにも合わせてみてください。締めやすく、きっとお気に召すと存じます。¥35,000(仕立て上がり、税込み)でお願いいたします。

 

 

 

 

山ウツギ、夏帯

 

すぐれものの夏帯を楽しみながら、わたしの話にもすこし耳を傾けてください。わたし、先日まで20日ちかく入院いたしておりました。10年ほどまえに発病しました間質性肺炎がすこし進行いたしました。わたしの状態はまだ中期といっていいほどで、生命の危険が差し迫っているわけでもなく、ただいまは投与されたステロイドの量を3ヵ月くらいかけて少なくするように先生に指導を受けています。血糖値を下げることが必要なようで、インスリンをはじめ何種かの薬をへいよういたしております。日常生活は元に帰っていいのですが、わたしは少し糖尿病域でもありまして、病院では食事のカロリーが下がり、退院した時には8キロほど減量していました。80歳で20日間で8キロの減量はこたえまして、帰っても何もできない有様です。この1~2年、みなさまにもう出来ませんと何回か廃業を申し上げてまいりました。でも、みなさまわかったわかったとおっしゃられながら御用を申し付けていただきます。何十年と勤めてまいりますと、多くを言われなくてもご入用なものはほぼわかりますので、お客様も便利な面があると思いますし、わたしも半ばうれしい気持ちがあり喜んでお役に立ちたいと思いました。昨年暮れに暖簾は出さないことにいたしました。朝もすこし楽になりましたが、仕事はあいかわらず多く、いまも到着した荷物をどうしよう・・・とため息をついています。今回は自分の年齢、体力や先の見通しも考えあわせ、今年の暮れで引退をさせていただくつもりです。わたしも大好きな仕事ですので、ついつい・・・になってしまうのですが、最後はきっとみなさまにご迷惑をかけてしまうとおもいます。ただ、みなさまはきものを着続けていらっしゃいますから、お着物の手入れ、仕立て替え、補修など信頼のおける京都の業者をご紹介をして、今年の10月くらいから、取引を試みていただくよう考えています。複数社取引はありますので、相性のいい業者を選んでいただけるようできると思います。買い継ぎの業者に、きちっと買取りをする、責任感のある呉服屋を紹介してよ・・・と頼みまして、この数か月に何人か呉服屋さんにおめにかかり、私の後をできるか話し合ったのですが、世代が違うと申しますか、わたしの呉服屋の仕事とやはりだいぶ違いがあり、断念いたしました。柄の裁ち合わせは仕立て屋の仕事だ・・・という考えはそれはちがいます。呉服屋がすべき大切な部分です。わたしは仕立て屋の裁ち合わせの現場も見ています。それは無責任に通じます。最大の問題は、では、小紋や付け下げ、帯類はなにも提供できなくなるのか・・・なのですが、何らかの方法を考えています。みなさまの手間が多少多くなると思いますが、プロ中のプロがお役に立てるようできる自信があります。仕立てはとても難しいです。わたしが出しているところは、個人の仕事は受けてくれません。いま、1、2候補を考えて話し合っています。いまはそんなことをかんがえています。わたしがボケて(だいぶボケてきています)しまわないうちにきちっとさせていただきます。このような方向に向かいたいと思いますので、早めにどんどんとご要望をおっしゃってください。やはり根性の入った業者は京都が多く、東京の業者はわたしはあまり望みをもっていません。でも、東京の業者をご希望でしたら、ご紹介はできます。

優れもの名古屋帯Ⅱ

 

 

 

右の名古屋帯は山田さんの帯地です。もともと長谷川の持ち柄だったのですが、長谷川が終わるとき、山田さんが引き受けて織り続けておられます。長谷川さんは良品を安くで発売なさる機屋さんで、わたしは長く取引させていただいておりました。山田さんも糸も落とさず値段も変えることなくなさっておられます。この帯はホームページ上で安くお求めいただいたような記憶がございます。特価¥39,000、-(別税)でおねがいいたします。

左の朱地の名古屋は泰生さんの六通名古屋です。最近は考えられないほど帯の品質が低下している中、さすが泰生さんは以前と変わらない品位を保った糸と織りをしていただいています。錦の生地も袋帯の地そのままに織ってもらっています。ただ、いつもう織れません・・・と宣言されるかもしれません。先日、〆切の帯も、努力しましたがぼかしの染めをしてくれるところがなくなりましたので、お断りします・・・と宣告されました。それはともかく、この帯地は小紋にというより付け下げ、訪問着、あるいは無地の紋付など礼装のための帯地ではございます。柄も織も袋帯の品格がございます。西陣の代表的な格調の高い名古屋帯です。わたしが13万でお求めいただいていました。今回は¥105,000、-(別税)でおねがいいたします。

摺り染め小紋、ぶどう唐草

この小紋の染め工場は正確には覚えていません。もし染屋さんを間違いますと、すぐにその染め屋さんから訂正してください・・・と連絡が入ります。正確を期さなければならないのです。ただ、京都の三つほどの染屋さんの作品にはちがいありません。ごらんいただいても地のたたき、摺りの技術のたしかさなど、いい染屋さんにはちがいありません。このような本格的な重い染めのきものは職人がいなくなり、染めることができない時代に入ってきています。どうぞ評価してやっていただきたいとおもいます。¥59,000、-(別税)でお願いいたします。

さくじつ、江戸小紋のシルクスクリーンの作品を探したのですが、すでに染めているところはありませんでした。プリントのものはあるのですが、スクリーンのものは染めているところがなくなっているのです。作家物の江戸小紋は高値で取引されているのですが、すこし下に位置付けられるスクリーンの小紋の製造がなくなってしまいました。トップと下の商品はあるのですが、トップと変わらない制作プロセスを経て作られる中級の小紋が作られなくなっています。わたしはこの中級品がもっとも大切だと思っています。作家物ではない手づくりの小紋をだれでも求めることができる値段で提供することはきものの命なのですが・・・