あけ田、訪問着単色

あけ田さんの単色の訪問着をごらんください。生地は丹後の紬です。紬と申しましても、羽二重のような生地にすこし紬の糸が入っている・・・といった生地です。この生地は男物に使ったり、わたしもいろいろに使わせてもらっています。染めは型友禅です。地は蒔き糊で観世水など三段階の柄の染め分けになっています。爽やかな訪問着で、単衣にも新春から五月ころの初夏くらいまでの袷になさっていただいても絵になるお着物です。あけ田さんはプロの間ではとても評価の高い染屋さんで、摺り染めのものには優れた品物をよく見ます。この友禅は摺り染めではございませんが、染めの切れ味ともうしますか、染め上がりの鮮やかさはさすが・・・と思います。あけ田さんとは古いなじみで、正月には、お年玉の値段でいくつか求めることが恒例になっていまして、申し訳ないと思いながら、値切るのを楽しんでいます。もっとも、お客様にかならず還元申し上げています。

このきものは昨日、お越しいただきましたお客様にお求めいただきました。お願いしてホームページに出させていただいています。あけ田さんの別な一面を多くの方にご覧いただきたかったのです。型友禅には摺りにないこのような一面がございます。機会多くお召しいただく方ゝ、この染めの爽やかさをぜひ身近に置いていただきたいと思います。かっては、古代友禅、加納染工など、型友禅のいい染め屋さんがおいででした。あけ田さんは頭一つ抜け出た、いい染屋さんでございます。

証紙番号700、まことさんの名古屋帯

まことさんの名古屋帯、荒磯紋でございます。むかしからまことさんや丹波屋さん、捨松さん、藤田さんなどは個性的な手織りの名品を作る機屋さんとして知られています。この九寸は、昔から付き合っていたひとから安くで譲ってもらいました。白地に荒磯紋を織りだした上品な名古屋帯です。初釜などに紋付の無地に合わせていただきたい帯でございます。飛び柄の小紋や付け下げに合わせていただいて、柄も品物も十分に対応いたします。¥75,000、-(別税)でお願いいたします。

お正月から、京都をはじめ、業界の方々の見通しを聞いています。素材の絹糸の世界的なひっ迫で、30%くらいの値上がりが避けられないようで、長じゅばん地、無地の白生地、紋意匠、裏地、八掛地などの値上がりは避けられないようです。中国製の白生地は表生地についてはいろいろ問題があり、長じゅばんや裏地が中心になっているのですが、みやこさんのように、中国でスクイを制作をして、「これだけのものを日本人がつくれますか・・・?」と言われるように、とても優れた織物を制作していられるところもございます。藤娘きぬたやさんも中国で作っておいでです。日本製と遜色はございませんが、値段もほぼ同じです。中国の質の高い織物はそれなりに評価をしてゆかなければならないとおもいます。でも、白生地はすこし違うようにおもいます。三十年も以前に、中国で白生地の製造を試みたある丹後の大手の機屋さんが、あらゆることを試みましたが、うまくいきません。最終的に気候風土の違いとしか考えられません・・・と話しておいででした。いまは改善できていますが、わたしは触りましても違和感を感じます。ともあれ、ことしは値上げラッシュになるとみなさん覚悟しておいでです。たきちのことには明日から申し上げたいとおもいます。

新年のごあいさつ。

みなさま、新しい年を迎えられ、お慶びもうしあげます。

わたしども老いてまいりましたが、このように新年を迎えることができました。ひとえに皆様方の     お引き立ての賜物とこころから感謝もうしあげております。

家内も一昨年からの大病を乗り越えて、ただいまは日常生活に不自由はないくらい回復してまいりました。家内は商家の生まれではないのですが、人好きともうしますか、お客様がお越しいただきますととてもうれしく、仕事の上かどうかは関係なく、無上に喜んでおります。どうぞお茶のみかたがたお立ちよりください。

わたしも八十歳を目の前に控えて、来し方を振り返り、たどってきた道と、残された少ない日々をどのように過ごすか、まいにち思い悩みながら考えております。まもなくわたしどもの仕事はじめになります。その節にあらためてご挨拶もうしあげたいと思っています。

平成三十年一月三日       た き ち    室田正三

源氏物語

いづれの御時にか、女御更衣あまたさぶらいける中に、いとやむごとなききわにはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。源氏物語の冒頭です。源氏五十四帖のうち、お好きな物語と、誕生花や、お名前から採った草花をあしらい、デザインを考えて刺繍で柄を作りました。刺繍下にはちりめんを訪問着にぼかしたり、簡単な付け下げを鹿の子の絞りで作ってもらったりいたしました。自分で下絵を描いて刺繍をする人と相談を重ね、一つのものを作り上げるのはとても楽しいことでした。図案や刺繍の現場の写真、お召しいただいた時の写真など、残っているはずなのですが紛失いたしましたようで、わずかしか残っていません。このような楽しいきものも案外高くなくおつくりいただけました。刺繍をする人に年を召された方がおられ、懇意にしていただいていたのですが、刺繍の仕事ができるのならば、値段はかまいませんよ・・・・と言っていただけた、ゆったりとした時代でもありました。この刺繍は江戸刺繍の組合の重鎮の方の仕事です。源氏香はむかしからきものによく使われました。いまも少なくはなりましたがやはり愛されるデザインの一つでございます。昔はなしになりましたが、創作のきものが高くつくということはあり得ません。手つくりのものは10作っても一つ作ってもその手間は変わらないからです。たとえば、写し友禅で、同じ色、柄を10作りますと、これは劇的に加工代は下がります。でも、手描きのものは同じ手間がかかりますから下げようがないのです。いま、問題だと思いますのは、写し友禅でも、10作れなくなったことです。コストが手つくりのものとそんなに変わらなくなってまいりました。それは、とても大きな問題だとわたしは思っています。

年の暮れに愚痴など申し上げて申し訳ございません。よい年をお迎えください。 たきち

あけ田・白上げ付け下げ

 

 

 

あけ田さんの付け下げです。若松に宝尽くしの柄。お正月を迎えて初釜や新年のお祝いのためのきものとしてお手元に一点加えてください。みなさま、このような白抜きの染めは簡単だとおもわれるかもしれませんがじっさいにはとても難しい染めなのです。糸目や加工が素朴で単純なほど、職人の腕が問われるのです。関東好みの淡彩で品のいい、すこし粋な香りのする付け下げです。箔のみの格調の高い袋帯などを合わせていただいてはいかがでしょうか。値段は新年度に入りまして、値下げして勉強させていただきます。¥160,000、-(別税)でお願いいたします。

絹と麻の長じゅばん

先日、ふと見かけた絹と麻の長じゅばん地がとても気になり、一反求めてみました。水を通して伸縮度や生地としての腰などいろいろテストをしてみました。伸縮度はゼロに近く、風合いも全く変化がありませんでした。どこで織っているのか気になり、問い合わせてみたのですが、ちりめんを織る織機ではうまくいかず、結局アパレルの生地を織る技術でないと製品化できませんでした・・・との報告を受けました。丹後や小松ではなく、洋服地を織る産地なのだと思います。いつも、新しいものに出会いますとまず、家内が試着をして、それからお客様にお求めいただくのですが、家内が普段にきものが着れませんので、証明なしでお客様方に申し上げることになりました。この生地ですと、麻のように突っ張ることがありませんので、麻のきものにも絽や紗などのちりめんの夏のきものにもおめしいただけます。アパレルの特徴で、斜めに伸縮性があります。体の動きに沿ってくれますが、長い歴史を持つ、丹後や五泉の白生地の、腰の強さはありません。でも、麻の長じゅばんがあまりにも高くなりましたので、このような生地も皆様にとっては一つの戦力になってくれると思います。ご一考ください。¥19,000、-(税別)でお願いいたします。

ご無沙汰いたしました。

木村先生作-500

ながくホームページを閉じていました。ご愛読いただいていました方々にはお詫びもうしあげます。このたび息子の助力で回復いたしました。このように広く開かれた窓を通してお目にかかれるのはやはり緊張いたしますし、自分が社会とつながっていると実感できてうれしいことです。休んでいる間に、ネットのきものを見学することもありました。また、一月二月と染め屋さんや機屋さんの話、また、流通に携わる人たちの状況など聞いていました。わたしなりに感じることがありましたが、個人的な部分ですので、あすから「旦那のブログ」で少し申し上げたいと思っています。

写真は木村哲也さんといわれる作家の方の屏風に制作していただいた作品の一部です。わたしの大好きな作家さんで、お弟子さんも育てられましたが、ご自分の落款のものはすべてご自分で染められました。それが当たり前のことなのですが、そんな方は滅多にいらっしゃられません。上野為二さんの最後のお弟子さんです。